嵐の二宮和也君が大好きな 主婦のひとりごとです。
『 Are You Happy? 』 レビュー
2016年11月03日 (木) | 編集 |

嵐の新作は “ ポスト・SMAP ” ジャニーズの王道だ!



 現在進行形で、いかようにも可能性のあるグループをつかまえて、

その性格や特徴を言いつのるのは、場当たり的になるし、あまり

良いこととは思わないのだけど、それにしても、 『 THE DIGITALIAN 』

『 Japonism 』 ときて、この 『 Are You Happy? 』 か。

嵐はすごいな。

本作は、トップアイドルゆえの懐の深さを見せた、堂々たる傑作ではないか。

 

近作を少しだけ振り返りたい。

『 THE DIGITALIAN 』 は、デジタルプログラミングの技術を駆使した

アルバムだった。

かなり細かく一音一音を配置して、さらにアイドル音楽の中心的

要素であるボーカルまでをも切り刻んで、サウンドの一要素に

してしまうことで、ラディカルなデジタルサウンドの構築を

達成した。

筆者はこれにいたく感激し、メロディ偏重主義の日本のポップスに

ラディカルなリズム革命を起こすのだ、と息巻いていた。

今後の嵐の進む道はこれに間違いない、と。

しかし、続く 『 Japonism 』 は、あっさりとデジタル路線を手放して、

ジャニーズ特有のジャポニズム精神を露骨にあらわした

アルバムとなっていた。

これはこれで興味深いものだったが、音楽的には、ジャニーズに

おけるジャポニズム精神が台頭してきた80年代後半のサウンドを

パロディ的にシミュレートしている感が強く、個人的には物足りなさ

を感じたのもたしかだった。

そして、 『 THE DIGITALIAN 』 のときに息巻いていた自分を

恥ずかしく思った。

 


では、本作は? よし、言おう。

これは、これこそは、ポスト・SMAP時代におけるジャニーズの王道だ!

 こっちだった。

嵐が進む道はこっちだったのだ。

一連の解散劇のなかで、SMAPについて考えることが多くなっていた

から、過剰に 「 ポスト・SMAP 」 感を受け取っているのかも

しれない。

しかし、解散云々以前、嵐は最初からポスト・SMAPのグループと

して出てきたはずである。


ポスト・SMAPとはなにか。

それは、クラブミュージック以降の歌謡曲だ、ということだ。

筆者がしばしば言うのは、SMAPはジャニーズにクラブカルチャーを

持ち込んだ存在だ、ということである。

1990年代、華やかなディスコ的価値観に満ちていたジャニーズに、

クラブ的なクールさを持ち込んだのがSMAPである。

だとすれば、嵐がデビューした1999年は、すっかりクラブ的な

クールさが馴染んだあとの時代である。

実際、SMAPでさえ、ほとんど飛び道具的にしか扱わなかった

ラップという手法を、嵐はデビュー曲のいちばん最初から

こなしている。

そして、なにを宣言するかと言えば、 「 We Are  “ COOL ” 」 

と来たもんだ! 

クラブミュージック時代のクールさを抱えながら、ジャニーズ

アイドルとして華やかなポップスとしてあり続けること。

これが、嵐の歩んできた道だった。

 
本作 『 Are You Happy? 』 は、そんな嵐のありかたを体現する

ような傑作だ。

個人的には、いちばん好きかもしれない。




先行シングルとして、山下達郎を迎えた 「 復活LOVE 」 が出た

時点で、アルバムにはディスコティックな曲が並ぶのかな、

と期待していたが、その期待は外れなかったと言っていいだろう。

冒頭3曲 「 DRIVE 」 「 I seek 」 「 Ups and Downs 」 は、

ホーンやストリングス、カッティングギターが魅力的な

ディスコティックな曲である。

なかでも 「 Ups and Downs 」 は、マイナー調のメロディとそこに

絡むコーラスがものすごくクールだ。

途中で2ビートになる展開も素晴らしい。

この曲と、いかにも山下達郎的なカッティングとメロディからなる

「 復活LOVE 」 は、本作のハイライトだろう。

櫻井翔による 「 Sunshine 」 、松本潤による 「 Baby blue 」 、

「 Don’t You Get It 」 ( こちらは、ファンク要素がかなり強いが )

など、ジャニーズディスコにますます磨きがかかっている感じがする。

 
一方、例によって相葉ちゃんは、 「 Amore 」 ( 長友を受けてなのか )

で謎の孤軍奮闘をしている。

この曲は、昔の歌謡曲のラテン感をパロディ的に打ち出しており、

結果的にサザンオールスターズ 「 勝手にシンドバッド 」 の現代版の

ようになった、面白い曲である ( サザンオールスターズという

バンド名は、NYサルサバンドのファニア・オールスターズから

取られている ) 。

大野智によるバキバキなエレクトロ 「Bad boy 」 も意欲的だが、

同じエレクトロで言えば、新機軸はむしろ、二宮和也による

「 また今日と同じ明日が来る 」 のほうだろう。

この曲は、音響/エレクトロニカ的なサウンドテクスチャーの

トラックを見事に歌モノに昇華している。

同じように 「 WONDER-LOVE 」 も、こちらはR&B由来だろうとは

言え、やはりエレクトロニカ的なテクスチャーが持ち込まれている。

繊細なトラックに対応する歌唱力もある。

このあたりの要素が、ディスコティックなエレクトロハウスと結びつく

可能性もあるだろうか。

そしたら、いよいよクラブミュージック時代の華やかなポップスではないか。

 
SMAPの大きな歩みを経て、嵐がジャニーズの新たなる王道を示し

始めている。

場当たり的か知らんが、いま目のまえにある作品は、そのくらい

堂々たる傑作だ。
.

矢野利裕    リアルサウンド 10/31(月) 13:10配信







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