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嵐の二宮和也君が大好きな 主婦のひとりごとです。
untitledを徹底解明
2017年10月20日 (金) | 編集 |


日本一のポップアイコン・嵐が18年の歴史のすべてを注ぎ込んだ

究極のコンセプトアルバム 『 「untitled 」 』 を徹底解明


2017.10.18 13:10



イントロの助走もタメもなく、今ここで火蓋が切って落とされたように

オープニングナンバーの “ Green Light ” は性急に走り出す。

前のめりのビートに乗ってEDM、ジャズ、ファンクと近年の嵐の

サウンドバラエティを片っ端から取り込んでいくミクスチャーソング。

しかもアウトロの余韻が醒める間もなく続く “ つなぐ ” へと

バトンタッチだ。

そして激渋ブルーズギターとゴージャスなストリングスが並走し、

思いっきり過剰な膨張を続けながらエンディングを迎えるこの曲も、

またもや駆け足で3曲目へ、その名も “ 「 未完 」 ” へと雪崩れ

込んでいく。


そんな冒頭の3曲を聴いた段階で、嵐がこのニューアルバムで

やりたかったこと、本作のタイトルを 『 「 untitled 」 』 とした意図が

早くも理解できるのではないだろうか。

ちなみに 『 「 untitled 」 』 はカッコの重複誤記ではない。

「」 まで含めて正式のタイトルだ。

つまり本作はその名も 「 無題 」 。

そして冒頭3曲が示したように、この性急で、過剰で、エクレクティックな

音の洪水は、名前を冠する前の姿、敢えて未完成の何かであることを、

本作の 「 無題 」 が逆説的に物語っている。


3曲目の “ 「 未完 」 ” は、まさにそんな 『 「 untitled 」 』 の

核心に迫ったナンバーだ。

ブラスセクションのオープニングから転調を幾度も繰り返し、エレクトロ、

クラシック、ミュージカルにヒップホップ、そしてR&Bにと、ここには

嵐の培ってきたサウンドのおよそすべてがある。

しかも、そのすべては 「 嵐の歴史 」 として博物館の陳列よろしく

並べられたものではなく、今まさに疾走中の彼らの道中、過去から

未来へと流れゆく景色のように動的なものだ。

《 暗闇から光 / “ 僕らが拓いていく時代 ” / なんてあの頃はいきがり

/ いま、夢の先の未来 / 後ろなんて見ない / ただそう前だけ

しか見ない / 目の前には誰もいない / その未来自分次第 》 と

紡がれるこの曲の櫻井翔のラップも、 『 「 untitled 」 』 のコンセプトの

宣言になっている。


2010年代後半、世界的に見てもポップミュージックはアルバムらしい

アルバムを必要としなくなっている。

そんな中で日本一のアイドル、日本一のポップアイコンである嵐が

ここまでアルバムらしいアルバムを作ったことは画期的なのでは

ないか。

アルバムコンセプトよりもポップソング集としての楽しさや精度を

追求した前作 『 Are You Happy? 』 とは対照的なニューアルバム

だと思うし、本作と同じくらいアルバムらしいアルバムであり、究極の

コンセプトアルバムであった前々作 『 Japonism 』 とは、コンセプトの

質がまったく異なるのだ。

『 Japonism 』 は 「 和 」 という明確なテーマを掲げて攻めた末の

パーフェクトな 「 完成形 」 だったわけで、未完で動的、そして

今まさに 「 攻めている 」 最中の彼らを活写した 『 「 untitled 」 』

とは、目指しているゴールが違うと言えばいいだろうか。


“ 「 未完 」 ” の圧をいったん抜くように軽やかなハウスビートが踊る

“ Sugar ” や、リオ・オリンピックの熱い夏を思い出させる

“ Power of the Paradise ” をはじめ、ラウドロック ( “ 風雲 ” )

やビッグバンドジャズ ( “ I’ll be there ” ) 、

アダルトコンテンポラリー ( “ 抱擁 ” ) と、本作のバラエティは

その後も収束することなく、ますますカラフルに飛散していく。

デビュー18周年を迎えた嵐には、幾度か 「 攻め 」 のタイミングが

あった。

たとえば2000年代、ブレイクの途上であった嵐の攻めは

《 外野の言葉はシカトする 》 ( “ Attack it! ” ) なる一節に

象徴されるように、自分たち5人と嵐のファン以外の世間を 「 外野 」

と定義した、オルタナティブなスタイルだった。

でも2010年代、国民的アイドルとなって久しい彼らは究極の

メインストリームであり、外野と呼ぶべき世間はもはや存在しないと

言っていい。

だからこそ 『 「 untitled 」 』 で嵐がファイティングポーズを

取る相手は、他でもない嵐自身だし、その勝敗は無題として

彼ら自身の未来に預けられている。

本作を聴いて 「 新章、来たり! 」 と猛烈に感じるのは

それゆえなのだ。


そんな 『 「 untitled 」 』 にあってちょっと異質なナンバーが

“ Pray ” かもしれない。

前述のように前進し続ける、攻め続ける彼らがふと立ち止まった

瞬間であり、手に入れたものと失ったもの、その両方を振り返る

メランコリーがたしかにここにはある。

個々の素が垣間見える “ Pray ” の5人の声の近さに加え、

ゴスペル調の女性コーラスをフィーチャーした “ 光 ” にも、

後半にいくに従って徐々に本作がモードチェンジしていく過程が

感じられる。


そして、徐々にモードチェンジしていった 『 「 untitled 」 』 の

行きつく先が、圧巻の “ Song for you ” だ。

長尺の組曲としてリリース前から話題になっていたこの曲は、組曲と

呼ぶよりも映画のサウンドトラック、いや、もはや短編映画そのものと

呼んでも過言ではない、物語がぎっしり詰まった10分強だ。

オーケストラをベースに次々と移り変わっていくサウンドも凄いが、

さらに注目すべきが歌詞だろう。

何故ならそれは、ハワイでのデビュー ( 《 聞き慣れないネーミング

/ 突然乗り込んだCruiser 》 ) に端を発する、嵐の歴史そのものを

物語っている歌詞だからだ。

国立競技場でのライブ ( 《 見上げる無数のバルーンが / 

都会の夜空を翔けてゆく 》 ) や、15周年で再びハワイに降り立った

「 ARASHI BLAST in Hawaii 」 ( 《 そして、もう一度 降り立ったこの楽園

( しま:ルビ ) で 》 ) など、彼らの節目節目の記憶が散りばめられた

それは、嵐の18年を追ってきたファンへの感謝のメッセージのようでもある。


嵐が本作で 「 無題 」 、 「 未完 」 と定義した今と未来は、かくも

長い長い過去の物語と地続きであったということを、 “ Song for you ”

はまるで壮大な種明かしのように歌い上げ、過去と今、そして未来を

一気に繋げてしまう。

これほどアルバムのエンディングに相応しい嵐曲も滅多にないと思うし、

この壮大な物語を、超絶コンセプチュアルでチャレンジングな長尺ナンバーを

きたるコンサートツアーでどう表現するのか、今から気になって仕方がないのだ。


『 「 untitled 」 』 は通常盤のCD2に収録されているユニット曲も、本編に

劣らず必聴だ。

嵐にとって久々のユニット曲は全4曲で、1曲目の “ バズりNIGHT ” は

相葉、大野、櫻井のトリオ曲。

タイトルからもなんとなく予想できるとおり思いっきりトランスな

ディスコチューンで、どこか昭和歌謡なメロディとの相乗効果も絶大、

3人のワイワイガヤガヤした楽屋ノリがそのまま楽曲のリズムを生んでいる

オールドスクールで愉快なナンバーだ。

対する “ 夜の影 ” は松本、二宮、大野によるトリオ曲。

これが “ バズりNIGHT ” とは真逆の思いっきりトレンディなエレクトロ

R&Bチューンで、ヴェルヴェットな質感を持つ声が最大限生かされた

大野のボーカルを筆頭に、3人の歌声がセンシティブなニュアンスで

折り重なっていく佳曲。

やんちゃな男子ノリとアダルトな色気のコントラストが最高の

3人+3人の2曲だ。


3曲目は相葉、二宮のコンビ曲 “ UB ” 。

この曲はとにかく歌詞に注目。

ジャニーズJr.の時代から、嵐の中でもとりわけ長い付き合いである

相葉と二宮が、交互に互いへの気持ちを明かしていく “ UB ” は、

「 何も言わなくてもわかり合える 」 ふたりが敢えてここで

言葉にした、そんな光景にぐっとくること請け合いのナンバーなのだ。

そしてユニット曲のラストは、松本と櫻井によるコンビ曲 “ Come Back ” 。

“ UB ” が相葉と二宮のパーソナルな関係性から生まれた楽曲だった

としたら、 “ Come Back ” は櫻井のラップ詞をバトルのように歌い繋ぐ

ふたりが嵐の看板を高く掲げて鼓舞する、 『 「 untitled 」 』

のテーマにも通じる攻めの楽曲になっている。


そして本当のラストはボーナストラックの “ カンパイ・ソング ” 。

これがもう 『 「 untitled 」 』 をめぐる深読みの数々を一瞬で

吹き飛ばすような痛快無比のスカパンクナンバーで、

“ ファイトソング ” の続編 ( ? ) 的なポジションでコンサートの

アンコールの定番曲になりそう。

今からコール&レスポンスの準備を!

ロッキン.オン.ドットコム ( 粉川しの )



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